亡くなられた方の相続手続きを行っている最中に、相続人が亡くなると「数次相続」が発生します。
右の図の家族の例でご説明していきます。
父が亡くなり母はすでに亡くなっていたので、兄と弟の2人が相続人となりました。2人で相続の手続きを行っていましたが同年7月に弟が亡くなってしまい、数次相続が発生しました。弟には結婚して妻と2人の子供がいました。このばあいの相続はどうなるのでしょうか。
父の相続に弟の妻と子供2人が参加します。つまり弟の立場で兄と弟の妻、2人の子供の合計4人で相続手続きを行うことになります。また妻と子供2人は平行して弟の相続の手続きも行っていくことになります。
相続の割合はどうなる?
まず父の相続での法定相続の割合は、兄と弟でそれぞれ2分の1ずつでしたが、弟が亡くなり妻と2人の子供が相続人となりますので、弟の妻が2分の1の半分の4分の1、子供は残り4分の1を半分ずつ、8分の1ずつの割合となります。併せて弟の相続で妻は2分の1、子供は残り2分の1を半分、4分の1ずつの相続となります。
・父の相続
兄 2分の1
弟の妻 4分の1
子供 8分の1ずつ
・弟の相続
妻 2分の1
子供 4分の1ずつ
数次相続は相続の手続き中に相続人が亡くなったため、亡くなった相続人の相続人がその手続きを引き継ぐことになります。並行して亡くなった相続人の相続も開始するので混乱してしまうかもしれませんが、1つずつしっかりと片付けていきましょう。または一度専門家に相談して整理してもらうのもおすすめです。
代襲相続とは違う
代襲相続とは相続人となる人が先に亡くなっている場合の相続をいいます。今回のご家族の場合でいくと、父が亡くなる前にすでに弟が亡くなっている場合は代襲相続となります。法定相続人も数次相続の場合とは異なります。数次相続の場合で兄と弟の妻、子供2人が父の相続人となりますが、代襲相続の場合は兄と子供2人が相続人となります。弟の妻は相続人とはなりません。 代襲相続とは